研究課題/領域番号 |
10041086
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
高村 弘毅 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (80062826)
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研究分担者 |
鈴木 裕一 立正大学, 地球環境科学部, 助教授 (70015858)
澤田 裕之 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (00097239)
門村 浩 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (80087064)
梅村 坦 中央大学, 総合政策学部, 教授 (90124289)
島津 弘 立正大学, 地球環境科学部, 助教授 (90251909)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 遺跡 / 沙漠化 / 河川・地下水の水質形成と変化 / 土地利用 / 水文環境 / 気温・地温の変化 / 農・牧畜業 / 古代オアシス集落 |
研究概要 |
平成10年度〜平成12年度の3年間実施された. 初年度は、現地において資料収集、現地調査を実施した。ウルムチからタクリマカン沙漠の各オアシスまでの移動ルートは、沙漠横断道路を通りケリヤ入りした。途中沙漠中央部の移動砂丘の実状と飛砂対策などを調査できた。 現地調査:主としてケリヤ川流域とニヤ流域を詳査した。1)地形環境調査:扇状地地形、崖錐堆積・沖積錐の分布地形の多いことと砂丘砂の供給源の相関性に視点を置いた解析が必要であることが明らかになった。2)水文環境調査:河川流量調査で河床内の伏没と滲出の反復により、また、今年の多雨によりかなり下流域まで流量の存在が認められた。3)その他植生、土地の荒廃・沙漠化、農業・牧畜などの調査をし、現状把握ができた。 平成11年度は、現地において資料収集、現地調査を実施した。 現地調査:ケリヤ川の下流(Karadon)・上流(甫魯)流域とチェルチェン川中流域を詳査した。1)水文地形調査:ケリヤ川下流の旧河跡湖(タシクル)や段丘上の古代遺跡(Karadon)の離岸距離と河床との比高の調査から古代集落の遺跡化は、流路と流量の変化の影響によることが判明。2)水文環境調査:河川流量調査で河床内の伏没と滲出の反復、低水温などの理由により予想外に恒常流が沙漠内陸部まで到達。また、今年は500年に一度という多雨があり、広大な氾濫と下流域まで流量の存在が衛星写真により認められた。3)土地の荒廃・沙漠化、農業・牧畜などの調査、中国側により現状把握ができた。 3年目の平成12年度は、8月22日から9月15日まで実施した。 1.ケリヤ川水系の5地点において土地の荒廃状況、土地利用状況、気温・土壌水分・地温の垂直変化などの観測を実施した。その結果、気象条件、土壌水分などが土壌の物理的性質や成分の形成に大きく影響していること、緑地化と耕地化の面積が周辺の荒地に拡大している一方で、既緑地化・耕地化した地域において土地の荒廃が新たに発生していること等が明らかとなった。2.ニヤ川水系ニヤ市とその周縁において、灌漑用水量がいかに農・牧畜業の生産高に大きく影響しているかが明らかとなった。3.ニヤ川水系、チェルチェン川水系上流域の降水量が多かった割には両河川の流量は下流域まで到達するほどでなかった。10月以降の農閑期には下流側の流量は一般的に増加するものの、ニヤ古代遺跡付近までは到達しない。また、水質は上流から下流まで変化が小さく地質溶出型のCa-SO_4型、チェルチェン川の沿川における地下水質は上流がCa・Mg-SO_4型、下流はNa-Cl型で蒸発効果型の特徴を示した。4.ウルムチにおいて国際シンポジウム「水資源開発と環境問題」で、分担研究者による7件の発表があった。
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