先進主要国では、公的任意加入保険制度が広く存在するが、包括的な国際比較研究は発見できない。本調査研究の目的は、(1)この保険制度の現状と、現在抱える問題点が何か、(2)民営化の動き、および必要性があるか、について検討することであった。 最終年度に当たる平成12年度には、第1年度で行なった文献レビュー、理論分析、実態調査と、第2年度に行なった歴史分析、実態調査の成果をふまえ、次の研究を行なった。 ・金融自由化全般の動きに関する研究 ・保険流通市場の現状把握と問題点の明確化 ・公的任意加入保険制度の民営化の是非 ・わが国の簡易保険制度の現状に関する問題点の明確化 ・保険産業全般における公的任意加入保険制度の役割 ・保険産業における官民の役割分担 現在は、収集した統計資料を使って、公的任意保険制度と民間の保険会社との間で、効率性がどの程度異なっているか、実証分析を進めている。 今後、わが国の簡易保険制度、および保険産業全般のあり方について、具体的な政策的インプリケーションを提示していく。
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