研究課題/領域番号 |
10041094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 甲南大学 (2000) 京都文教大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
井野瀬 久美恵 甲南大学, 文学部, 教授 (70203271)
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研究分担者 |
湯浅 正恵 広島市立大学, 国際関係学部, 助教授 (70275395)
白石 さや 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70288679)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | グローバル化 / グローバリゼーション / 日系社会 / カラオケ / 漫画 / アニメ / 日本料理 |
研究概要 |
従来のグローバリゼーション研究は欧米人の研究が主であり、その理論は欧米中心主義に傾きすぎ、また実証性に欠けることを認識し、当該共同研究班はフィールドワークを通じてデータを蓄積し、日本のグローバル化のモデルを築することをその目的として発足した。データ収集では、別府はカリフォルニアにおける日本人、日系人社会の生成を、ベスターは大西洋での日本へのまぐろの出荷を、チュワテカはオランダでの日本料理店の出店経過を、ケリーはイギリスでのカラオケ進出の歴史を、クラインバーグは米墨国境に点在する多国籍日本企業の現地適応を、白石はマレーシアで見られる日本製漫画、アニメの状況を、ホワイトはイタリアでの日本人の観光の多様性を、湯浅は上海進出の繊維、衣類合弁会社でのジャバナイゼーションを、おのおの実地調査し、実証的データをもとに報告書をととのえた。 その結果として日本の社会、文化的グローバル化においては、日本人の人的拡散を基本とし、組織に先行して、文化がグローバル化を遂げていく多くの事例を見た。第二としては、グローバル化は必ずしも通文化的、普遍的なものをひろげるだけではなく、固有文化をも広げる作用もあり、そのプロセスを解明する事ができた。第三に、そのプロセスは漫画、アニメ、料理、カラオケなど、各ケースによって非常に異なり、グローバル化のプロセスの複雑さがいままで十分に評価されていないことが明らかになった。第四に、グローバル化に伴う、ローカルの自己主張、ゆわゆるグローカリゼーションとも違う現象として、文化の伝播に伴う「異文化定住」、また「多文化化」の現象としてグローバリゼーションを捕らえる必要を認識した。
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