研究概要 |
研究代表者は自身が所属するIPO(知的財産権所有者協会)所属企業を調査対象企業とし、LucentTechnology,IBM,Kodak,Haemonetics,Motorola,Photon Dynamics,Xeroxを特に分析の対象とした。これらの企業においては、知的財産権は、人的資本と並行的にポジショニングされており、特に特許権は「競争優位性確立のツール」として活用されている。これらの企業の共通点は、常に技術的リーダーシップを図る戦略を策定し、技術を権利化することを技術革新の一つの目安に位置付け(技術の標準化、戦略提携、ライセンシングにおいて)、また、権利保護組織の構造としては、単なる法務部一辺倒ではなく、知的財産権部を全社戦略における組織郭門として組み込んでいる。そして、当骸組織部門の下郁には、特許マネジメント、ライセンシング、特許化、ライセンシング法・訴訟・商標・著作権、他社技術における自社特許使用の主張を専門とする部所(Patent Assertion)、一般的法務(GeneralLegal)といったセクションを抱えている。そして、特許毎に個々の特許を活用する場合と、特許のプール化による活用、特許の整理という概念を明確にして、各マーケットのセグメント毎に特許の利用方法を変える戦略志向をとっている点も、日系企業にはまだ明確にされていない概念であり、日系企業の知的財産権マネジメントにも大いなる参考になると思われる。これらの概念が、今後の調査対象であるドイツ企業、そして、ほとんどの技術をパブリックドメインに置いてきたインド企業と如何なる対象を見せるのかは大変興味深いものであると思われる。
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