研究課題/領域番号 |
10041105
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10111361)
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研究分担者 |
幸島 司郎 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60183802)
小林 俊一 新潟大学, 積雪地域災害センター, 教授 (70001659)
成瀬 廉二 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10002099)
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90235739)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | パタゴニア / 氷河変動 / 氷河変動機構 / 氷コア / カービング氷河 / 完新世 |
研究概要 |
1998年は北パタゴニア氷原のソレール氷河とソレール河谷を対象とした研究が行われ、以下のような知見を得た。完新世の氷河変動の研究では、ソレール氷河とソレール河谷のモレイン分布調査から、ヤンガー・ドライアス(約10,500前)と2000BPの氷期が推定されるが、詳しくは年代測定結果が出るのを待っている。ソレール氷河では流動、表面プロファイル、歪みを調査し、さらに水文観測と気象観測を行い、氷河のダイナミクスとの関係を考察した。これにより、底面辷りが流動に大きな割合を占めていることが示された。さらに表面プロファイルの測定から、1985年以来、42m±5m表面高度が減少したことが判明した。年平均に直すと3.2m±5mである。 1998年撮影の北パタゴニア氷原溢流氷河末端の空中写真から、1995年(前回調査)以後の氷河変動を抽出した。これによると、1つの氷河(サン・ラファエル氷河)を除き全てが後退していた。さらに1999年撮影の空中写真からは興味深いことが判明した。それは1990年以降唯一前進していたサン・ラファエル氷河が、1998年から1999年にかけて後退したことである。このことから、1990年以降の前進は、従来考えられていた1970年代の雨量増加というよりも、フィヨルドの地形と氷河ダイナミクスによる公算が大きくなった。 1999年度の調査は南氷原のティンダール氷河の涵養域(標高1760m)でボーリングを行い、現地観察に加えて46mのアイス・コアの採取に成功した。詳しい化学分析はこれからである。ペリート・モレーノ氷河では写真測量によるカーピング活動の記録と氷河流動の推定、さらに湖面の津波観測によるカービング量の推定を行った。また、氷河周辺の湖の水深を測定した結果、深いところで80m程度であった。同じく、ウプサラ氷河が流入しているBrazo Upsalaの水深を測定したが、深いところは700m近くあり、氷河のカービングとダイナミクス、後退などを解析する上で重要なデータとなる。
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