研究分担者 |
北 和之 東京大学, 大学院理学研究科, 助手 (30221914)
橋口 浩之 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (90293943)
松本 淳 東京大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80165894)
西 憲敬 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00222183)
荻野 慎也 京都大学, 超高層電波研究センター, 日本学術振興会特別研
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研究概要 |
本研究の目的は,これまで“気候学上の空白領域"となっていたインドネシア「海洋大陸」域の長期にわたる高層気象観測資料(生データ)を,各気象官署へ出張するなどして収集し,信頼度その他の入念な検討を踏まえてデータベース化するとともに,これに基いて,気候変動の基本モードとして重要視されながら特に励起源となる波動(下部成層圏)・対流(対流圏内)の実態に謎の多い「準2年周期振動(QBO)」の生成・維持機構を,飛躍的に解明することである。計画調書の時点では3年計画であったものが2年計画として採択されたため,交付申請書の時点で,計画調書では2年次に実施予定の内容も初年次である本年度中に一部前倒しで行う形に修正した。また政変に伴って渡航が一時制限されたりしたが,最終的にはほぼ交付申請書記載の事項を達成できた。 まずジャカルタの技術応用評価庁(BPPT)およびBMG本庁に出張して,本研究全体の具体的計画を確定させ,「高層気象観測」の生データの複写・収集作業を開始した。本報告書執筆時点において,インドネシア全土11地点における最近8年間(1991〜98年)のレーウィンゾンデ観測資料のデジタル化と信頼度チェックを完了し,日本(神戸大学)およびインドネシア(BPPT)双方の計算機上にデータベースとして置き,研究分担者間で公開して,米国海洋大気庁(NOAA)や日本気象庁の客観解析データ等と比較し有効性を検討した。さらに,下部成層圏と対流圏内それぞれのQBOの解析を開始するとともに,新たにHadley循環の年周期南北変位とこれに伴う偏東風ジェット気流半年周期振動さらにエルニーニョ南方振動と相関のあるQBO西風フェイズの対流圏内への垂れ下がりなどの極めて興味深い結果を得た。
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