研究課題
医用画像処理や、ロボット技術等の先端工学技術を応用した新しい外科的治療方法となる、「低侵襲手術」等の新しい研究分野についてはすでに国際的に情報交換が始まっているが、海外の各国の研究状況や、国情に基づく研究意義や効果について正しく把握しておく必要がある。2年間にわたり、新しい低侵襲手術に関する各国の研究状況について調査を行ってきたが、今年度は最終年度としてアメリカ・ヨーロッパを中心に総括的な情報収集をおこなった。CARS、MICCAIという2つの関連国際学会において、中心的な役割を果たしている研究室を中心に、研究動向についての調査を行った。手術支援ロボットの研究においては、医師の使用経験についての発表が増加傾向にあり、ロボットの臨床使用を行う段階になってきたといえる。また、今後のロボットの開発・開発動向としては、ロボット本体の開発というよりは、これまでに個々に行われてきた医用画像処理及び画像統合の技術と結びつけ、総合的に手術支援を行うシステムの開発を目指す施設が多く見られるようになった。また、手術支援ロボットについては、手術室で使用するための安全性や、手術室環境に適合したロボットの設計開発が重要であると認識があった。医用画像処理や、画像統合に関する研究では、基礎技術は確立されつつあり、個々の技術のより高度化も図られている。特に、医用画像処理における研究では、昨年より引き続き臓器変形に対応した術前画像の補正に関する研究、血管走行状態に関する研究が注目を浴びていた。
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