研究課題
基盤研究(B)
医用画像処理や、ロボット技術等の先端工学技術を応用した新しい外科的治療方法となる、「低侵襲手術」等の新しい研究分野について、海外の各国の研究状況や国情に基づく研究意義や効果について正しく把握しておくことが重要である。3年間に渡り、新しい低侵襲手術に関する各国の研究状況について調査を行ってきた。その結果、下記のような成果が得られた。平成10年度は、中国・アメリカを中心とした調査を行った。臨床的に基本的な問題意識は本国同様のレベルにあり、我が国では初期より認識されていた術中脳変形問題がようやく注目され始めた段階であった。平成11年度は、ヨーロッパの研究者らと情報を交換し、本技術分野のニーズを検討した。基本的には同じ問題点を有しており、特に力覚フィードバックによるインタフェース、体内臓器情報の変形・統合、三次元画像による術野の可視化が重要視されていた。平成12年度は最終年度として、アメリカ・ヨーロッパを中心とした総括的情報収集を行ってきた。手術支援ロボットの研究については臨床応用を行う段階になってきており、また今後の研究開発動向としては、ロボットの本体の開発というよりは、これまでに個々に行われてきた医用画像処理および画像統合の技術と結び付け、総合的に手術支援を行うシステムの開発を目指す施設が多く見られるようになった。これについては、我々がかねてより主張してきた安全性や手術室環境に適合したロボットの開発が重要であると認識があった。医用画像や画像統合に関する研究では、個々の技術の高度化が図られていた。
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