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1998 年度 実績報告書

アルメニア共和国における中世の集中形式宗教建築の保存対策

研究課題

研究課題/領域番号 10041138
研究種目

国際学術研究

応募区分学術調査
研究機関東京工業大学

研究代表者

篠野 志郎  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20108210)

研究分担者 高橋 宏樹  東京工業大学, 工学部, 助手 (60226876)
山田 孝延  岡山県立大学, デザイン学部, 教授 (10264912)
元結 正次郎  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60272704)
佐藤 信夫  山梨学院大学, 法文学部, 教授 (40205951)
キーワードアルメニア共和国 / 集中形式 / 教会堂 / 修復・保存対策
研究概要

平成10年度は当該研究の初年度に当たり、アルメニア側研究者と現地で今後の研究の展開について綿密に討議したほか、首都イェレヴァンを基点に北西部及び西部の遺構17棟について調査を実施した。これらは、研究主題の「中世の集中形式宗教建築」に相当するもの、また建築形式の系譜を検討する上で必要となる遺構で、現地でのアルメニア側の研究者と相談の上で選ばれ、残存状況が比較的良好な遺構である。このうち、中世の集中形式宗教建築を考究するうえで、特に重要と考えうる遺構5棟について写真測量および平面実測を実施した。これらは、帰国後日本において図化が行われた。具体的には、Elvard,Salmosavank,Ta'lin,Haricavank,Arutjの5棟の教会堂について、現状を正確に記録した平面図及び立面図を作成した。これらの実測図をもとに、今後は構造解析や保存対策を検討する。特に、アルメニア建築においては修復経緯等が明らかにされておらず、これらの正確な現状図をもとに、それぞれの時代の修復箇所を特定する必要がある。同時に、アルメニア建築の系譜を明らかにするため、調査を実施した17棟について、装飾形式の時系列的分析を行った。その結果、アルメニア宗教建築においては、窓周りの意匠の形式に系統的な発展形式が認められることが判った。すなわち、アルメニア宗教建築においては、基本となる窓形式や意匠が7世紀前後に成立している可能性と、この基本的な形式の系統的な展開を遺構に認めることが出来る点を、収集した資料の限りにおいて指摘できた。今後、平成10年度の調査で得た実績としてのこの意匠系譜の初期的な仮説を、調査対象を増やすことで検証する必要がある。このように、平成10年度の研究実績を踏まえ、次年度(平成11年度)はアルメニア共和国の北東部の遺構について、調査を実施する予定である。
一方、文献史料の収集については、アルメニア古文書館等を訪ね、関連する史料の探索を行った。また、海外においても収集不能であった一部の研究資料について、アルメニア共和国で収集を行うことができた。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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