研究課題/領域番号 |
10041138
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
篠野 志郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20108210)
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研究分担者 |
羽深 久夫 札幌市立高等専門学校, 助教授 (50280318)
元結 正次郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60272704)
佐藤 信夫 山梨学院大学, 法文学部, 教授 (40205951)
高橋 宏樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60226876)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | アルメニア建築 / アルウチ / 修復 / 保全 / カラバフ |
研究概要 |
本研究は平成10年度から平成12年度にかけて、アルメニア共和国に残る6世紀から13世紀にわたる教会遺構に対して保存・修復のプログラムを作成するため、現地での調査、及び日本における調査データの解析と研究を行ったものである。最終年度にあたる平成12年度は、アルメニア共和国南部の遺構28棟とナゴルノ・カラバフの遺構8棟の36棟の調査を実施した。過去の調査地域を加えると、アルメニア共和国に残る主要な遺構を悉皆的に把握したことになる。特に本年度は、これらの遺構を総合的に検討し、アルメニア建築の様式的な発展、構造解析、材料特性、基準寸法の検討、および細部意匠の歴史的系譜について仮説を提起し、これらの分析結果を用いて、アルメニア側研究者と共に、アルメニア建築の里程標として重要な7世紀創建のアルウチ教会堂について、写真測量から作成した高精度の3次元座標の立面図・平面図・断面図を合成し、蓋然性の高い復元案を作成した。とりわけ、様式的な発展においては、従来の西欧の研究に見られるアルメニア建築の史的位置づけとは異なる観点でアルメニア建築を評価したこと、構造解析におけるアルメニア建築のドーム特性を明らかにしたこと、また従来不明であったアルメニア建築のモジュールの存在可能性を指摘したこと等、新たな知見を提出した。こうした成果は本年度の建築学会関東支部研究報告会において、公表されている。また、アルメニア側の研究者を招聘し、日本における保存技術の実態を把握させ、将来の修復保全における日本の技術の活用に関して検討した。
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