研究概要 |
近年優れた耐震構造として実施設計に置いてもしばしば適用されるようになった,コンクリート充てん鋼管(CFT)構造は,建築基準法に記載がないため特殊な構法と見なされ,同法施行令38条による建設大臣認定が必要な構法となっており,一般的な構法としていまだ認められていない.一方,これまで我が国で行われたCFT構造に関する研究は,耐震性能に着目したものがほとんどで,現在進行中の日米共同研究においても,鋼管幅圧比が60程度までの鋼管を用いたCFT部材ならびに接合部の構造性能の解明に重点を置いたものとなっている.本研究は,我が国において設計施行実績や研究成果が不足している長薄肉大径鋼管を用いたCFT興亜央の設計施工や研究,CFT構造のクリープ現象や火災時挙動に関する研究等の実態を,この面で先進地域であるアメリカ合衆国において調査研究し,CFT構造の合理的な設計法を確立することを目的として行われたものである. 本年度は,次のような調査研究を行った. 1)米国ベツレヘム市リーハイ大において,日米共同研究の一環である,CFT長柱実験に立ち会い,実験結果を米国側スタッフと検討するとともに,三重大学で開発した解析プログラムによって実験結果をシミュレートし,プログラムの妥当性を検討した. 2)昨年度収集を行った米国内各大学における研究成果および,実務設計資料の整理分析を行った. 3)収集した資料をもとに,日米における本方法の設計施工方法の比較検討を行った.
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