研究概要 |
本年度は,昨年度までの調査成果に基づいて補足調査を行い,その結果,フィリピン現代建築の地元への適応について,気候に対応した設計,施行技術,そいて文化の三項目について考察をまとめた。 気候環境については,20世紀初頭における近代建築導入以降の主要な設計手法の展開を4期に分け,現存建築の設計データに基づいて考察した。施工技術については,各種工法の特徴,取り分けRC造普及の要因とその形態についてまとめ,コンクリートブロックを含めたRC造による建設形態が地元社会の建設基盤に適応している情況を解明した。そして文化的適応については,建築に関連する多様な文芸分野で展開された地域性におけるアイデンティティーの模索を検証し,併せて建築設計における地域性の表現に関する諸活動を明らかにした。
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