研究課題
国際学術研究
本年度の研究はほぼ予定通り進行し、以下の成果が得られた。(1) 日本側研究者および中国側研究者との共同研究として、中国新彊ウイグル自治区におけるネコ科の調査を実施した。事前に、中国科学院新彊生態地理研究所および新彊大学と十分な調査計画を話し合い、これらの研究機関の協力によって無事に調査日程を終了することができた。本年は、新彊ウイグル自治区の中でも、タリム盆地(西城南道、天山南路、タクラマカン砂漠)を中心にして、新彊に生息するヤマネコ類(ステップヤマネコ、マヌルネコ、オオヤマネコ)の生息環境・野生動物と人々とのかかわり合いを詳細に調査し、これらの種の現状を把握することができた。(2) 中国科学院新彊生態地理研究所および新彊大学などにおいて保管されている標本を調査し、その保管状態を確認すると共に、標本の記録と収集を十分に行うことができた。(3) 北京の中国科学院動物学研究所においても、標本の調査および研究者との交流を行うことができ、中国産ネコ類の系統進化について討論した。(4) 2人の中国側共同研究者を招へいし、北海道大学においてDNA分析を行った。その際、日本側研究者が開発したDNA分析技術を詳細に伝授し、来年度以降の研究が進展するよう努めた。(5) 日本側研究者は、日本の動物園の協力を得て、アジア大陸に生息するネコ科動物種のミトコンドリアDNAおよびマイクロサテライトDNAなどの分析を開始した。
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