研究概要 |
熱帯域の高い生物多様性について理解するには,種分化や多様性獲得の機構の研究が不可欠である.そこで本研究では分子系統学的手法を導入し,同地域で多様な種分化を起こしている植物の詳細な系統解析と各植物種の地域集団における遺伝的多様性や遺伝的分化パターンの比較を通じて,種分化が生じてきた過程を解明する. 平成12年度はニューカレドニア島にてシダ植物のコケシノブ科,裸子植物のマキ科,被子植物のタバコ属植物について野外調査・試料収集を行なった.同島にて採集した試料は日本に持ち帰りDNAを抽出してcpDNAゲノム上のmatKとrbcL遺伝子,nrDNA遺伝子のITS領域の塩基配列を決定していた.その塩基配列と平成10,11年度に得られた結果と合わせて系統解析を行った.各分類群で最節約法,近隣接合法,最尤法を用いて分子系統樹を作成し,その結果得られた系統樹に基づいて各群での植物地理学的,系統進化学的考察を行った.
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