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1998 年度 実績報告書

東南アジアにおけるオオバキ属植物とアリの共生系

研究課題

研究課題/領域番号 10041163
研究種目

国際学術研究

応募区分学術調査
研究機関名古屋大学

研究代表者

市岡 孝朗  名古屋大学, 農学部, 助手 (40252283)

研究分担者 STUART James  マレーシア大学サラワク校, 生物多様性環境保護研究所, 准教授
SARKAWI Moha  サラワク林野庁, 主任研究員
大串 隆之  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10203746)
田原 哲士  北海道大学, 農学部, 教授 (50001475)
キーワードアリ植物 / 相利共生 / オオバキ属 / アリ防衛 / 食植性昆虫 / 被食防衛 / 昆虫・植物相互作用 / 東南アジア熱帯
研究概要

東南アジア熱帯を中心に多様な種が分布しているオオバキMacaranga属には、特定のアリ類と相利共生関係を結んで被食防衛を委ねるアリ植物種が多数知られている。その共生アリは、中空の茎内に営巣しオオバキが生産する食物体を主な栄養としている。共生アリの生存・コロニー成長・繁殖にとってこの食物体は不可欠である。一方アリは、オオバキの食植性昆虫や光合成を阻害するつる植物を排除する。オオバキはアリ防衛のために、光合成産物あるいは根から吸収した養分の一部をアリの報酬に割り当てなければならない。アリ防衛への投資が、物理的防衛・化学的防衛への投資との関係を明らかにするために、アリ防衛の強度と非アリ防衛の強度をマレーシア・サラワクのランビル国立公園に分布するオオバキ数種を対象に、アリ防衛の強度・投資量と非アリ防衛の強度を測定した。生息環境が類似している3種のアリ植物オオバキ、M.winkleri,M.trachyphylla,M.beccariana(各W,T,Bと略)のアリ防衛の強度を明らかにするために、野外において、農薬を用いて共生アリを除去した株と除去しなかった株に対する食植性昆虫による加害度の差を測定した。また、植物への人為的な加害に対して示すアリの攻撃行動を観測した。その結果、アリ防衛はWでもっとも強くBでもっとも弱いことが示された。植物の地上部の乾重に対するアリコロニー全体の乾燥重量の比は、Wでもっとも高くBでもっとも低くなり、アリ防衛の強度はアリへの報酬への投資量と相関していた。上の3種と非アリ植物オオバキ2種の非アリ防衛の強度を、強い広食性をしめずハスモンヨトウの飼育系統に各種の生葉あるいは葉の乾燥粉末を与えて飼育し、その成長示標を測定することによって推定した。その結果、アリ防衛の強度と非アリ防衛の強度は逆相関の関係にあることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Itioka,T.,Nomura,M.Inui,Y.,Itino,T.& Inoue,T.: "Difference in intensity of ant defense among three species of Macaranga myrmecophyte in a Southeast Asia dipterocarp forest." Biotropica. (印刷中).

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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