研究課題/領域番号 |
10041166
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 正文 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (40101240)
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研究分担者 |
荒谷 邦雄 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (10263138)
近 雅博 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (00211912)
太田 英利 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教授 (10201972)
疋田 務 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40135512)
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キーワード | 系統分類学 / 自然史学 / タイプ標本 / 両生・爬虫類 / 昆虫 / 欧州 / 熱帯アジア / 博物館 |
研究概要 |
研究代表者らはこれまで、マレーシアやタイを中心としたアジア熱帯域において小動物の進化と種多様性に関する野外調査を行ってきたが、その過程で、両生・爬虫類や昆虫類をはじめとする分類群において多数の隠蔽種や様々な形態・遺伝多型が存在していることが明らかとなった。また、熱帯アジア産の小動物の中には、従来からその分類学的な扱いを巡って少なからぬ混乱が生じている分類群も多い。熱帯アジアにおける生物の多様性を正確に把握するためには、こうした問題を抱えた分類群に関して、関連したタイプ標本を詳細に比較検討し、その分類学的な地位を確定し、整理、再検討をすることが必要不可欠である。 こうした現状を鑑み、本研究は、欧州各国の著名な博物館に実際に赴き、所蔵されている熱帯アジア産小動物のタイプ標本に関する詳細な調査研究を行い、熱帯アジア産小動物の分類学的な整理を行おうとするものである。平成10年度は、まず、10月上旬〜11月上旬に約1カ月をかけてマレーシアやインドをはじめアジア各地から収集された膨大な標本が所蔵されているイギリスの大英博物館(自然史部門)とインドネシア産の標本が所蔵されているオランダのライデン博物館を訪れた。また1月上旬に短期でイタリアのジェノバ博物館とフィレンツェ大学博物館およびミラノ自然史博物館を訪れた。これらの博物館において、熱帯アジア産小動物、特に両生・爬虫類やコガネムシ上科昆虫類のタイプ標本について、外部形態に関する詳細な比較検討や種々の計量形質の測定などを行った。現在、その結果に基づき、問題となる分類群の分類学的地位を確定し、関連分類群に関する整理、再検討を行っている。本研究によって、熱帯アジアにおける生物多様性の実情がより高い精度で検証できると確信する。
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