研究課題/領域番号 |
10041169
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 勇 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80025486)
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研究分担者 |
加藤 真 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (80204494)
矢田 脩 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (80038489)
山根 正気 鹿児島大学, 理学部, 教授 (30145453)
湯本 貴和 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (70192804)
永益 英敏 京都大学, 総合博物館, 助教授 (90218024)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 熱帯雨林 / 生物多様性 / 保全と持続的利用 / インベントリー / 生物相 / 動物-植物相互作用 |
研究概要 |
マレーシア・サラワク州のランビルおよびクバ国立公園において植物相及び昆虫相の調査を行った。加藤(雅)は主としてシダ植物、堀田は単子葉植物、西田および永益が被子植物を担当して標本の採集および準備的な同定を行った。昆虫相の調査では、矢田がチョウ類、駒井が蛾類、友国が半翅類について、標本の採集と1992年以来の大量標本のチェックを行った。チョウでは、クバ・ランビル国立公園で採集を行い、科、属、種レベルのソーティング、アゲハ、シロチョウ科については種の同定を済ませ、一部で同定ラベルを添付した。蛾類の調査では、ランビル産の蛾類標本はほとんど三角紙つつみで保存され同定分類が困難であったため、まず、標本を軟化して昆虫針をさしラベルを付ける作業を約1,000個体について完了し、科レベルまでのソーティングを行うとともに標本作製マニュアルを作成した。半翅類の調査では、昼間は主としてビーティングとスウィービングを行い、夜間には灯火に飛来したものを採集し、約1,600個体の昆虫が得られた。そのうち半翅類は約40%で、残りの大半は甲虫類であった。ある種のアリと共生している特殊なマルカメムシ(未記載種である可能性が高い)を得た。1992年および1993年に採集された約12,000点のカメムシ類標本を科までソーティングした。ベトナム北部およびタイ北部でアリ相の調査を行った。ベトナム北部の低地林ではわずが2日間の採集で125種のアリが採集され、多様性の高さが示された。ベトナムとタイの山岳地帯では、従来熱帯低地型と考えらていたヒメサスライアリ属の亜熱帯山地個体群を発見し、本属の生物地理に重要な新知見を加えた。タイ中部では鳥と哺乳類のインベントリーを行い、ランビル・クバとの比較研究が可能となった。
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