研究課題/領域番号 |
10041171
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢原 徹一 九州大学, 理学部, 教授 (90158048)
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研究分担者 |
BALDWIN Bruc カリフォルニア大学, パークレ校・生物学部, 教授
CRAWFORD Dan オハイオ州立大学, 植物科学部, 教授
三島 美佐子 日本学術振興会, 特別研究員
梶田 忠 東京大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80301117)
渡辺 邦秋 神戸大学, 理学部, 教授 (80031376)
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キーワード | キク科 / 分子系統 / 倍数性 / 2倍体化 / メキシコ |
研究概要 |
キク科ヒマワリ連・フジバカマ連は、キク科の総種数の約4分の1、総属数の約3分の1を含む大きな群であり、形態的にも生態的にも、また染色体数のうえでも著しく多様化している。申請者らのこれまでの研究により、フジバカマ連はヒマワリ連から派生したこと、ヒマワリ連とフジバカマ連を含む単系統群は、キク科マリーゴールド連(ダンゴギク連を含む広義)から派生したことが推定されている。また、フジバカマ連では染色体基本数がn=17からn=10へ、さらにn=4へと減少したことがわかっており、ヒマワリ連の染色体基本数もおそらくn=16-17であり、倍数体起源と考えられる。本研究は、キク科の総種数の約4分の1を含む群が、広義のマリーゴールド連における単一回の倍数化以後に、爆発的に適応放散を遂げたことを明らかにするための、研究資料の収集を目的として実施された。 平成10年度の調査では、マリーゴールド連の属数が多いNuevo Leon州、Tamaulipas州、Coahuila州などの東北部を中心に野外採集を実施した。マリーゴールド連のうち、Flaveria(Flaveriinae),Psistorophe(Gaillardiinae),Schkuhria(Chaenactidinae),Hymenopappus(Hymenopappinae),Chrisactinia(Pectidinae)など、9亜連のうち6亜連の代表的な属のDNAサンプルと染色体研究用資料、および保証標本を採集した。 rDNA-ETS領域によるこれらの系統解析の結果から、フジバカマ連とヒマワリ連は、マリーゴールド連から並行的に独立に起源した可能性があること、マリーゴールド連が起源した時点ですでに倍数化が起き、その後さまざまな系統で並行的に染色体数の減数・2倍体化が進行したことが明らかにされつつある。
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