研究概要 |
オランダのライデンにあるオランダ国立植物標本館においてシーボルトが日本で収集した各種の植物標本の調査を行った。800種3,500枚を調べることができたので、これまでの累計は1,200種,6,000枚に達した。タイプと日本人から贈られた標本に重点を置いて調査を行った。シーボルトは様々な日本人から標本を貰っている。伊藤圭介、水谷助六などからである。しかし、日本人が特定できない標本がかなりある。産地は全国各地に及び、蝦夷産のものもある。一方、ドイツのミュンヘンにあるバイエルン州立植物標本館においても調査を行った。そこでシーボルト収集標本について総合的な調査研究を行ったのは、我々が最初である。ライデンから移管された標本類がある。タイプを主とした200枚を見つけ、調査した。バイエルン州立植物標本館にあるシーボルト収集標本の点数はそれほど多くない。また、標本の質はライデンにあるものに比較して劣る場合が多い。しかし、タイプの割合が高い。 オランダ国立植物標本館では西暦2000年が日蘭修好400周年になることを記念して、シーボルト収集標本の中から、特に重要、あるいは興味深い700枚を選び出してCDを作成することになった。我々は各種の資料と情報を提供すると共に、標本の選定と説明文(英文)の執筆、校正に協力した。CDは2000年3月初めに完成した。日本国内の研究機関にもいずれ配布される予定になっている。 オランダ、ドイツで調べた標本はいずれもカラーで写真撮影を行っている。将来データベースとして提供できるように整理を行った。
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