研究分担者 |
照沼 裕 山梨医科大学, 医学部, 講師 (50217436)
沼崎 義夫 国際協力事業団ザンビア感染症対策プロジェクト, チーフアドバイザー
宍戸 春美 国立療養所東京病院, 臨床研究部, 部長
鈴木 宏 新潟大学, 医学部, 教授 (20091704)
菅村 和夫 東北大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20117360)
|
研究概要 |
現在,1998年12月での全世界のHIV感染者数はおよそ3340万人,1年間の新規感染者数は約580万人と推計されており,それぞれその約3分の2にあたる2250万人と400万はサブサハラアフリカの住民であると推計されている.そのサブサハラアフリカの中でも最もHIVの感染率が高くなっているのが,ザンビア,ジンバブエ,ボツワナ,ナミビアなどの南部アフリカの国々であり,また,現在HIV感染者が最も急速な増加率を示しているのが南アフリカである.そこで,ザンビア,ジンバブエ,南アフリカでのHIVの疫学的現状として,HIV抗体陽性率の年次・年齢・性別・学歴・職業による違い,母子感染率,小児感染者での予後,輸血血液の確保やHIVの治療の難しさについて調査・検討した.また,これらの国でのHIV/AIDS対策についての考え方についても検討を行った.ザンビアとジンバブエでは大人の4人に1人が感染者であり,2国間のHIV/AIDSの流行状況は極めて似ている.一方,南アフリカは大人の約10人に1人が感染者であり,人種や貧富の差などを背景とした世界でのHIV/AIDSの流行の問題点の縮図となっている.しかし,この地域でのHIV感染症の予後や合併症についてはまだよく検討されておらず,HIVとその合併症に対する現実的な治療方針は現在のところ何もない.我々は,この地域で可能な予防法と治療法についての基準作り進めるために,この地域のHIV感染症についての基礎データーの収集を進めている.
|