研究課題/領域番号 |
10041194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
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研究分担者 |
柴田 英治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90206128)
山田 哲也 名古屋大学, 医学部, 助手 (90303635)
市原 学 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90252238)
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キーワード | 2-ブロモプロパン / 1-ブロモプロパン / 製造工場 / 暴露量 / 許容濃度 / クレアチンキナーゼ / 中枢神経症状 |
研究概要 |
中国宜興市にある1-BP製造工場に働く24人の女性、13人の男性労働者を対象に、自覚症状の問診、パッシブサンプラーによる曝露濃度の時間過重平均値、尿中1-BP濃度、血漿CK活性を調べた。さらに環境中1-BP濃度は検知管を用いて測定した。尿は20mLヘッドスペースバイアルにほぼ一杯入れ、アルミシールキャップで封入し、4℃で保管、搬送し、パージアンドトラップ方式によってFID付きGCに導入し測定した。曝露量と尿中1-BP、血漿CK活性とについて、ピアソンの積率相関係数とスピアマンの順位相関係数を求めた。前者では、各変数の分布が正規分布と仮定できなかったため、値を平方根変換した。 作業中の自覚症状として粘膜刺激症状が最も多かったが、めまいなどの中枢神経症状も見られた(表1)。26人中個人曝露量と尿中1-BP量との関係は有意な相関をしめした(ピアソンの係数R=0.64、スピアマンの係数ρ=0.61、いずれもp<0.01)。血漿CK活性と曝露量との相関はスピアマンの係数のみで有意(p<0.05)でρ=-0.49であったが、男性、女性別での分析では有意ではなかった。時間加重平均ほぼ100ppm以下の曝露で中枢神経系への影響を疑わせる自覚症がみられた。尿中1-BP値は個人曝露量と有意な正の相関を示し、曝露指標の一つとなり得るかもしれない。ラットでは1-BP曝露によるCK活性減少が見られている。CK活性が生物指標として利用可能かどうかについては結論がだせなかった。
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