研究課題/領域番号 |
10041199
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
橋口 義久 高知医科大学, 医学部, 教授 (10037385)
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研究分担者 |
片倉 賢 群馬大学, 医学部, 助教授 (10130155)
三森 龍之 熊本大学, 医学部, 助教授 (00117384)
野中 薫雄 琉球大学, 医学部, 教授 (10039571)
丸野 元美 琉球大学, 医学部, 助手 (00264507)
上里 博 琉球大学, 医学部, 講師 (60160157)
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キーワード | リーシュマニア症 / 局所療法 / Neurotropin / BCG / エクアドル / サシチョウバエ / PCR / ミニエキソン |
研究概要 |
南米エクアドル国における太平洋側低地やアンデス高地のリーシュマニア症流行地で、分子生物学的手法による診断法の開発や、簡便かつ有効な治療薬の検索を実施した。また、流行地における媒介サシチョウバエ相の把握や、Leishmania原虫による自然感染率の把握は、本症の流行状況の推定や媒介者対策を構ずる上で極めて重要であるため、継続して研究を行った。得られた研究実績のおもなものは以下のとおりである。 1。流行地における患者の治療法を改善する目的で、Glucantimeローションの局所療法に加えて、免疫修飾剤の一つNeurotropinを併用したが、治癒経過の点で対照群との間に顕著な差異は認められなかった。 2。Leishmania(Leishmania)mexicanaの感染による汎発性皮膚リーシュマニア症(DCL)患者の治療にGlucantimeとBCGの併用を試みたところ、前者による単独療法よりも有効な傾向がみられた。したがって、現状では治療困難とされている本症(DCL)患者の治療法として今後さらに検討すべき療法であることが示唆された。 3。患者に苦痛を与えないで効果的な診断法を開発する目的で、種々の検体(病巣部の浸潤液、シーリンジ吸引組織片、生検材料など)についてPCRを実施したところ、皮膚の生検材料(skin biopsy)以外でも高い検出率が得られ、前2者検体の診断法としての有用性が判明した。 4。流行地で採取したサシチョウバエの種類や感染個体の同定にミニエキソン遺伝子レベルでの解析を試みている。本法は、各流行地における将来の媒介者対策や疾病対策の評価ならびに監視システムに役立つものと考えられ、継続して研究中である。
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