研究課題/領域番号 |
10041204
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
増澤 俊幸 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10181645)
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研究分担者 |
三宅 正紀 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (00295560)
川端 眞人 神戸大学, 医学部, 教授 (30175294)
高田 伸弘 福井医科大学, 医学部, 助教授 (90003409)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | ライム病 / ボレリア / マダニ / 系統分類 / Borrelia burgdorferi / Borrelia afzelii / Borrelia garinii / Borrelia valaisiana |
研究概要 |
我々は以下に示す東アジア地域で野鼠、マダニの捕獲調査を実施し、さらにそれら材料からのボレリアの分離と分離株の分子生物学的性状解析を行い、ユーラシア大陸におけるライム病ボレリアの維持伝播機構、すなわちボレリア種と媒介マダニ種、保有体動物種との関連性について解析を行った。 中国揚子江流域調査 (四川省 重慶、南川、陝西省 西安、江西省 景徳鎮、安徽省 黄山、浙江省天目山 杭州、新彊ウイグル自治区)、韓国調査(北部-五台山、桂芳山、春川、中部-忠州、南部-海南、霊光)、台湾調査(阿里山、台中 金門島)、ネパール(プランチュール、Mt.Pulchouk)、タイ(チェンマイ) 得られた分離株の種の同定を行い次の結論に達した。アジアにおいてもボレリア種と媒介マダニ種の間に一定の関連があることが明らかとなった。すなわち、極東ロシア、中国東北部、韓国北部ではシュルツェマダニが生息し、極東型B.garinii、ユーラシア型B.garinii、B.afzeliiを保有する。台湾、中国南部揚子江流域ではB.valaisianaがミナミネズミマダニにより媒介される。また、韓国南部では同じボレリア種がタネガマダニにより媒介される。一方、韓国中部ではタネガタマダニがB.afzeliiの主要な媒介者となっている。一方、中国中部の四川省安徽省では既存のライム病ボレリア10種と異なる新たな種が見出され、現在新種記載の準備を行っている。以上の結果より欧州に見られるユーラシア型B.garinii、B.afzeliiは極東ロシア、中国東北部、朝鮮半島を経由して日本伝播した可能性が示唆された。一方、B.valaisianaは中国中部揚子江流域、さらに台湾、朝鮮半島南部を経由して日本にもたらされたと考えられる。
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