研究課題/領域番号 |
10041205
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松岡 裕之 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10173816)
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研究分担者 |
川本 文彦 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40115556)
吉田 栄人 自治医科大学, 医学部, 助手 (10296121)
岩井 くに 自治医科大学, 医学部, 助手 (50271226)
廣野 晃 虎ノ門病院, 沖中記念成人病研究所, 研究員 (90181221)
藤井 寿一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70107762)
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キーワード | 赤血球酵素異常症 / グルコース6リン酸脱水素酵素 / G6PD / マラリア / プリマキン / 東南アジア / 疫学調査 / ゲノム遺伝子 |
研究概要 |
ラオス、ミャンマーおよびインドネシアにおいて、当地の医師・研究者とともにマラリアの集団検査およびグルコース6リン酸脱水素酵素(G6PD)変異の診断を行なった。マラリアの診断には川本が開発したアクリジンオレンジ法、G6PD活性の測定には藤井の開発したプレート法あるいは、廣野の開発したチューブ法を用いた。マラリア診断・G6PD活性測定のための指頭採血から、結果を聞き投薬を受けるまでが30〜40分で済むため、受診者には好評であった。マラリア原虫保有者でG6PD活性正常者については、マラリアの根治治療あるいはマラリアの蚊への伝播抑制のためプリマキンを使用することができた。 G6PD変異者は男子人口あたり数%にみられた。G6PD変異をもった者からは同意を得て末梢血を提供してもらい、ゲノムDNAの抽出を行なってG6PDをコードする遺伝子の解析をおこなった。インドネシア、マレーシアではまた、病院においてG6PD変異を診断された個人から同意を得て、G6PDをコードする遺伝子の解析をおこなった。その結果ラオスで9例、(全例^<871>G→A Viangchan)、ミャンマーで16例(^<487>G→A Mahidol14例、^<1376>G→T Canton2例)、インドネシアで15例(^<95>A→G Gaohe1例、^<1003>G→A Chatham2例、^<1291>G→A Surabaya1例、^<1376>G→T Canton1例、^<1388>G→A Kaiping1例、^<383>T→C VanuaLava8例、^<592>C→T Coimbra1例)、マレーシアで6例(^<487>G→A Mahidol2例、^<592>C→T Coimbra2例、^<871>G→A Viangchan1例、^<1388>G→A Kaiping1例)合計46例のG6PD変異者から9つの変異型を読み取ることができた。このうち^<1291>G→A Surabayaは本調査研究により初めて見つかった変異型である。
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