研究課題/領域番号 |
10041208
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90081661)
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研究分担者 |
相川 浩幸 東海大学, 医学部, 講師 (40102850)
吉田 貴彦 東海大学, 医学部, 助教授 (90200998)
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キーワード | 砒素中毒 / 中国 / 疫学研究 / 発ガン性 / 皮膚障害 / 色素沈着 / 色素脱色 / 角化症 |
研究概要 |
中国大陸における飲料水の砒素汚染による慢性砒素中毒患者の発見は1983年、新彊ウイグル自治区の西南部地域、1989年内モンゴル自治区、1994年山西省大同地域、他方、貴州省では1970年代末から、石炭の燃焼による慢性砒素中毒の発生が認められた。現在の中国全体での高濃度な砒素暴露人口は約200万人と推測されている。 本研究では、飲料水の砒素汚染による慢性砒素中毒患者に関する疫学調査は、中国内モンゴル自治区フルホト市東鉄門郷とボート市西鉄門郷で、この地域では農業(小麦、トウモロコシ、向日葵、野菜)と牧畜(羊、ヤギ)を営んでいる。慢性砒素中毒患者の主要な症状は皮膚障害(皮膚の色素脱失、色素沈着)であり、重症者にはボーエン病や皮膚癌が認められた。ボート市西鉄門郷では砒素に汚染された井戸水の使用は1992年からで、数年で重症な慢性ヒ素中毒患者が出現した。この村から胎児性砒素中毒の3歳になる小児が認められた。 次に、職業砒素暴露からの慢性ヒ素中毒の調査として、湖南省湖南雄黄公司において亜ヒ酸暴露からの発癌性について調査を行った。1700名の作業者のうち肺ガン患者が約200名と、過去の職場環境の異常さが明らかになった。現在は亜ヒ酸製造は禁止されているが、雄黄製造からの砒素暴露が存在しており、今後の継続的な研究の必要性が示唆された。
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