研究課題/領域番号 |
10041210
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
伊藤 守 実験動物中央研究所, 免疫研, 室長 (00176364)
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研究分担者 |
WANG Xiaoyan 新疆自治区医学実験動物, 副所長
CHAI Junーjie 中国国立包虫病研究所, 所長
松本 芳嗣 東京大学, 農学部, 助教授 (00173922)
浅川 満彦 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (30184138)
奥 祐三郎 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (60133716)
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キーワード | 中国 / 新疆・ウィグル自治区 / レミング / Lagurus lagurus / 実験動物化 / 感染症 |
研究概要 |
本研究の目的は、感染に対して高感受性の野生動物を検索し、その実験動物化を図ることである。本年度は、野生動物調査とその野生動物へのヒト感染病原体の感染実験を行った。野生動物調査は、新疆ウィグル自治区の東部ハミからフカンに至る天山山脈北部およびウルムチ南部地域の9ヶ所で行った。捕獲した野生動物は食虫目1種、齧歯目3科13属15種で計388匹であった。現在までこれら野生動物の一部での腸内寄生虫検索で8種が分離された。現在全個体での検索とそれら寄生虫の同定を行っている。野生動物へのヒト病原体感染実験は2種類の病原体について行った。Echinococcus granulosasとLeishmania infantumである。用いた動物は十分捕獲でき、また一部実験室内で繁殖したものを用いた。草原レミング(Lagurus Iagurus)、ヒナカスナネズミ(Merjones meridianus)、ゴールデンハムスターの3種である。E.granulosasは感染羊肝より得た原頭節をプレドニゾロン処置後に経口接種し、経日的に腸内の虫体の回収数を算定した。その結果、レミング、ハムスターよりもヒナカスナネズミで感染後に多数の虫体が回収でき、成虫への成熟が観察された。L.infantunm感染実験は血液寒天上で増殖したpromastigoteを各々動物の腹腔内へ接種した後、経月的に動物を処分し、牌臓内の原虫増殖細胞比を比較した。結果は、レミングでハムスターよりも増殖力が激しく、この原虫感染症モデルとして有望であることが示唆された。今後は得られた結果を追試することによってさらに精査することと、他の動物種、病原体についても検討していきたい。同時に今回得られたレミング、ヒナカスナネズミの実験内飼育を行っていく。
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