研究課題
国際学術研究
本研究調査では、欧米における知識科学に関わる先進的な高等教育研究機関を訪問し、その考え方、方策、成果、実績、最新動向をできるだけ体系的かつ網羅的に調査し、資料を収集した。調査は自然科学系・情報科学系・社会科学系出身の教官各一名づつからなるチームを複数組編成し、各チームが欧米各地の研究機関を訪問した。訪問機関は多岐に渡っており、総数は39機関に及ぶ。うちアメリカ東海岸にて6機関、西海岸において6機関の計12機関、ヨーロッパ大陸では15機関、イギリスでは12機関を訪問した。調査の結果、知識に関する研究は分野を越えて関心を集めているが、組織的に研究を進めている研究機関はまだそれほど多くないことがわかった。しかし、個人あるいは小集団で分野横断的な研究プロジェクトをおこなっている機関もあり、興味深い成果を出している。今後、欧米に於いても、研究者相互の交流が盛んになるにつれて、知識を主要な研究対象とするグループが多数出現し、やがて「知識科学」が一つの研究分野として成立する可能性は高い。今回の調査のきっかけとして本学知識科学研究科との交流が始まった機関も多々あり、欧米の研究機関との交流を積極的に推進していく素地が整ったのは大きな成果であった。