研究課題/領域番号 |
10044005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
篠田 知和基 名古屋大学, 文学部, 教授 (00022260)
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研究分担者 |
山本 節 静岡大学, 人文学部, 教授 (60024048)
松村 一男 和光大学, 文学部, 教授 (70183952)
吉田 敦彦 学習院大学, 文学部, 教授 (20054322)
渡辺 浩司 中央大学, 経済学部, 助教授 (20278401)
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キーワード | メルラン / 魔術師 / 神話 / ユーラシア / サルタヒコ / 役の行者 / 母子神 / 比較神話学 |
研究概要 |
本研究ではヨーロッパとアジア、日本に基層文化のレヴェルで同一の神話大系があったとの想定のもとに類似の神話を比較検討しているが、昨年度の狩猟伝承、大地母神に続き、今年は母子神話の背後にある老人神話をとりあげた。即ちデーメーテルーアマテラス神話における背後の演出者であるディオニュソスの役割を比較神話学的に究明、具体的にはフランス中世説話の魔術師メルランと日本神話のサルタヒコ、役の行者、久米仙人、阿倍晴明、および平安朝文学の老人などを比較、東西の神話、説話における老人神のイメージの差異と共通性を追求、ヨーロッパではメルランのいめーじのもとをケルトの伝承や北欧神話にさぐり、また、フランス近現代文学におけるメルランのイメージの展開もおった。なかでもブルターニュの伝承を今日にいかすジャケスや、19世紀のバル座州・無礼図にあらたな照明があてられたこと、19世紀オカルト学に於ける導師のイメージについての視点、またネルヴァルに「メルラン」んいついての言及がなされていたことなど、従来かんえられていなかったことが明らかになった。これは東西の神話を戦士-母神-祭司の三格ごとに追求するこころみの一環で、第一機能である祭司の研究にあたる。 最後に総括をふくめてシンポジウム「神話の森の動物たち」を開催、東西の猿、熊などの神話と金属加工文化との接続を考えた。
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