研究課題
基盤研究(A)
本研究は、日欧米の研究者が、民族誌研究の重要な動く映像による民族文化の記録資料を比較検討することを念頭におきつつ、各研究者の視点からその文化変容を研究するとともに、過去の映像記録現場の一部を再映像化することで異文化との接触による文化変容を研究する目的としておこなわれた。個別の研究としては、アメリカやヨーロッパの民族誌映像所蔵の実体、マルチメディアによる表現形態と情報化、民族誌映像の活用の実体、民族学と映像の歴史、そして再映像化による変容の研究などがおこなわれた。そのための現地調査は、フランス、ドイツ、イギリスを中心としたヨーロッパそしてアメリカのハワイを含む西海岸と東海岸などの映像資料を収集あるいは保存している研究所を調査した。研究者の全体成果としては、平成12年度の国立民族学博物館特別展示である「進化する映像」(影絵からマルチメディアへの民族学)の映像展示に向けて研究完成させ、7月20日より11月21日まで一般に公開した。ここでは世界の主な研究所や博物館所蔵の民族誌映像を研究し、変容つまり進化する映像の展示を試みた。映像資料から見た文化変容は、第2時世界大戦以後の欧米諸国以外の発展途上国に多く見られる。特に1897年から数年間にリュミエール兄弟社が製作した日本の映像記録は、その後の多くの映像記録と比較するまでもなく生活形態そのものが大きく変容している。本研究に関連する報告については、各研究者の報告と全体成果である「進化する映像」の解説報告書を参照されたい。研究組織、研究経費、およびこれまで本補助金による主な発表は以下のとおりである。
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