研究分担者 |
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00183640)
田中 哮義 京都大学, 防災研究所, 教授 (70293959)
河田 惠昭 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)
今村 文彦 東北大学, 工学部, 助教授 (40213243)
立木 茂雄 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90188269)
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研究概要 |
研究2年目の本年は,初年度米国コロラド州ボールダーで開催した合同会議の結果,米国空軍の気象衛星DMSP/OLSの夜間可視画像データをもとにして,被害地と被害規模を正確に推定した地図を作成する手法を確立を具体的な研究課題とした. 被災地の早期推定システムに関しては,昨年8月17日に発生したトルコマルマラ地震災害に際して,DMSPデータを用いて地震災害による被災地域の空間的な広がりを把握することに成功した.私達はDMSPデータの民間利用の窓口であるNOAA/NGDCの協力を得て,地震前日と地震当日のDMSP夜間可視画像の比較を行い,両日のデータ間に有意な光量の減少が見られた地域が,被害調査報告にもとづく地震被災地と良く対応していることを発見した.その後の現地からの被害調査と照合すると,推定の精度は高かった.さらに推定結果をホームページにより公開し,実際の国際的な災害救援の支援に役立つこともできた.続く9月21日の台湾集集地震についても同様の推定を行い,全島にわたる停電の影響を捉えることができた. 本年3月5日にはNGDCよりDr.Kroehl所長とMs.Hobson担当官を招き「DMSP/OLSの防災利用に関する第回日米ワークショップ」を開催し,これまでの研究成果の交換とともに,防災に関するDMSP/OLSデータの利用の可能性について討議し,その成果をプロシーディングスにまとめた.その結果,光量の絶対値と,連続する2日間の光量の差の2つに着目する可能性が見出された.光量の絶対値を用いて各都市における人口規模,建造物の集積状況,地域経済活動力(GRP)を推定し,地震による被害発生規模を推定する地震災害リスクアセスメント・プログラムを開発する.さらに被害地の早期推定にあたっては,連続する2日間の光量の差を用いて,24時間以内に高精度で推定するプログラムを開発するために研究を推進する.
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