研究課題/領域番号 |
10044028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
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研究分担者 |
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00183640)
田中 哮義 京都大学, 防災研究所, 教授 (70293959)
河田 恵明 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)
今村 文彦 東北大学, 工学部, 助教授 (40213243)
立木 茂雄 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90188269)
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キーワード | 災害対応 / 社会科学的研究 / 被害予測 / 巨大地震 / 巨大災害 / 都市災害 / 災害情報 / GIS |
研究概要 |
昨年度から本格的に推進してきた米国空軍の気象衛星DMSP/OLSの夜間可視画像データを用いた被災地の早期推定システムのプロトタイプの開発を完了した. 被災地の早期推定システムは、1999年8月17日に発生したトルコマルマラ地震災害に際して、地震発生前後の2日間の夜間可視画像を比較し、地震発生後に有意な光量の低下が見られた地域を地震による被災地と判定することに成功した.その後の見地踏査でも、判定結果と実被害との間に高い一致が見られ、推定の妥当性が検証された. その後、1999年9月21日に発生した台湾集集地震に関しても、同様な推計を行ったが、地震発生当日に台湾を襲った台風の雲の影響によって、連続した2日間に見られる優位な光量の差にもとづいて正確な推定を行うことができなかった. 本年度の研究は、雲、月齢、ジオリファレンスの誤差といった地震以外の要因による光量への影響を排除する手法の開発、および災害発生から推定結果をインターネットを通じて世界に発信するまでの所要時間の短縮という2つの目標の達成をめざした. 前者については多数日の観測結果を用いて偶然誤差を極小化することによって、上記の諸要因の影響を取り除いた比較画像を用いることで、できるだけ正確な推定を行う手法を開発した.また、推定に要する時間関しては、トルコ地震の3週間から、2001年1月27日に発生したインド・グジャラ地震の場合には、地震発生から24時間以内に推定結果をインターネットで配信するに至った.今後の課題は、推定の自動化システムの開発である.
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