研究課題/領域番号 |
10044032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石垣 健一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40047486)
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研究分担者 |
西島 章次 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70116234)
片山 誠一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70047489)
井川 一宏 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (80031392)
利 博友 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (40283460)
宮尾 龍蔵 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (40229802)
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キーワード | APEC / オーストラリア / 日本 / アジア経済危機 / 不況 / 短期資本移動 / 資本ストック |
研究概要 |
本年度は1999年9月にオーストラリア国立大学でANU-KOBE共同セミナーを開催しました。われわれ神戸大学研究所グループから5本の論文を発表し、それに対してANUグループからさまざまなコメントをうけました。5つの論文の内容は以下の通りです。(1)日本経済の1990年代を通じる大不況はさまざまな経済政策が採用されたにもかかわらず、いぜん解決の道筋が見えてこないのはなぜかについて分析し、資本ストックの過剰が存在していることを指摘した。(石垣・永谷論文)(2)アジア経済危機に際して短期資本移動の果たした役割についての実証研究を行い、危機以前に流入した短期資本はsustainableであったことを明らかにした。(宮尾論文)(3)日本の金融分野における規制と生産性の関係を実証研究し、為替の自由化以後の段階では規制と生産性との間には負の関係があることを明らかにした。(片山論文)(4)日本経済の90年代を通じての不況はアジア経済にどのような影響を与えたかについて一般均衡モデル(CGE)を用いて実証研究し、日本経済の頑健な成長は東アジア諸国の全体的成長にとって必要条件でもないし、十分条件でもないことを明らかにした。(利論文)(5)1990年代の日本経済の不況と国内の保護擁護グループの圧力のもとに、日本はAPECの中で、自由化推進の立場を明確に打ち出せない状況にあることを分析している。これらの研究成果は研究最終年度である平成12年の研究に生かされるであろう。
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