研究課題/領域番号 |
10044033
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西澤 信善 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (30164552)
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研究分担者 |
池田 潔 北九州大学, 産業研究所, 助教授 (50295854)
松岡 憲司 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (40141668)
山本 恒人 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (60140183)
藤本 昭 姫路独協大学, 経済情報学部, 教授 (80030659)
石田 浩 関西大学, 経済学部, 教授 (70148493)
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キーワード | 経済発展 / 三峡ダム / 直〓市 / 古い工業都市 / 嘉陵 / 中小企業 / 支柱産業 / 長江流城開発プロジェクト |
研究概要 |
本研究の目的は、重慶の経済発展を日中の共同研究により考察しようとするものである。日本側研究者は平成10年9月13日から9月20日までの間に重慶市を訪問し、重慶社会科学院の協力を得て精力的に調査を行った、重慶市に関する事情は日本ではほとんど知られておらず、まず、基礎的な情報、データの収集に努めた、重慶社会科学院および重慶市政府からヒアリングを受けたテーマは、(1)重慶市政府発展研究中心の紹介、(2)重慶経済全般の状況について、(3)重慶市の対外貿易の現状、(4)重慶市の投資環境について、(5)重慶市の交通事情-道路事情を軸に、(5)重慶市の一時帰休者問題について、(7)重慶市の就業者問題の特徴、(8)重慶市の経済発展と第9次5カ年計画、である。これらのヒアリングによって、重慶市の経済の実状を把握するとともに、対外経済関係、投資環境、物流状況、失業問題等についても理解を深めた。なお、ヒアリングの成果の一部を、『重慶市の最近の経済事情』というタイトルで『日中経協ジャーナル』に公表した。また、嘉陵(モーターバイク)工場、長安汽車工場および重慶宗申摩托車開発有限公司の3カ所を訪問し、企業の実態調査を行った。調査の最終日には、重慶工商会議所とミニシンポを開催し、中小企業の重要性について話し合った。 重慶市の抱える問題は多い。重慶市は中国でも最大級の工業都市であるが、貧困な農村部も抱え、その開発が急がれる。三峡ダムの水没によって、100万人を超える移住者がでるが、重慶市政府はその膨大な財政負担を負わねばならない。重慶市は内陸奥地にあり、その発展のボトルネックになっているのは物流である。工業用の部品や原材料、資本財は輸入に頼らざるを得ない。重慶市の当面の経済発展の課題は、相当数いると推定される潜在・顕在の失業者の群を吸収する産業を新たな産業を育成するかにあるといえよう。
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