研究課題
国際学術研究
本研究の課題は、統計調査環境問題の深刻化によって、基本的な転換を迫まられている政府統計の新しい展開方向を模索するために、行政レジスターによるセンサス様式が試みられている2000年世界人口センサスにおいて、米国、英国、ドイツと日本のセンサス統計にかんする統計政策と統計レジスターシステムの動向を実証的に分析し、国際的な視野から、21世紀におけるセンサス様式と統計政策のあり方を展望することである。平成10年度は、本研究プロジェクトの初年度であって、第1に外国の研究分担者から、各国の2000人口センサスの計画・準備状況にかんする最新の情報を得て、調査計画の最終点検を行い、プロジェクトメンバーの役割分担を確認した。第2に米国調査班と英・独国調査班を編成し、(1)1990年人口センサスの実施状況、国民の反応と政府の対応、(2)行政レジスターによる統計作成の状況、(3)2000年人口センサスのための統計レジスター構築の調査研究、試行および具体化の状況、(4)行政レジスターと統計レジスターにかんする統計政策の動向について、調査対象国の統計機関(各国の中央・連邦統計局、関連機関)を訪問し、資料調査とヒアリング調査を実施した。また、西村善博教授(大分大)研究協力者としてフランスに派遣した。第3に日本の国勢調査については、研究代表者が1995年に実施した国勢調査員調査を分析することによって、センサス統計の問題状況を把握し、外国人研究分担者のために準備レポート(英文)を作成し、次年度における外国の研究分担者との共同討論の協議を行った。また日本政府の各行政レジスター、とくに住民記録管理制度、納税者番号制度、国民年金番号制度について、統計レジスター構築の観点から資料調査とヒアリング調査を実施した。