研究課題/領域番号 |
10044037
|
研究種目 |
国際学術研究
|
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
音無 通宏 中央大学, 経済学部, 教授 (20041105)
|
研究分担者 |
土方 直史 中央大学, 経済学部, 教授 (30055123)
深貝 保則 東京都立大学, 経済学部, 教授 (00165242)
永井 義雄 関東学院大学, 経済学部, 教授 (40019815)
樫 則章 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40194766)
有江 大介 横浜国大学, 経済学部, 教授 (40175980)
|
キーワード | 功利主義 / 功利主義とアジア諸社会 / 功利主義と現代 / 生命倫理 / 道徳論 / 正義論 / 自由 |
研究概要 |
本研究の目的は、21世紀に向けて功利主義思想の理論的発展と実践可能性をさぐることにある。 それらのうち、本年度は第一段階として、特に基礎的な研究を重視した。すなわち、まず第一に、功利主義生成・発展の理論史的・思想史的研究を多様な角度から行うこと、第二に、その際、アジア諸社会の視点をも投入してみること、そして、第三に、それらに生命倫理や現代正義論に関する基礎的研究を付加してみること、の三点であった。 本年度は、そのために7月10-12日(関東学院大学セミナー・ハウス、神奈川県葉山町)と9月10-12日(University College London,London)の二度にわたり研究集会を開催し、それぞれ報告と活発な質疑・討論を行った。それらを通じて、第一に、功利主義の思想と理論は近代ヨーロッパにおいて歴史的・理論的にも予想をはるかに上回る広範な射程をもっていること、第二に、それらはインド、中国、日本を含む近代初頭のアジア諸社会においても大きな影響力をもっていたこと、そして、第三に、そうした広い射程のもとに功利主義は現代の生命倫理や政治論・道徳論・社会正義論・自由概念等にも深い関連と影響をもっていることが確認された。 本年度は、功利主義というヨーロッパ出自の思想をめぐってインドや中国からも研究者を招聘できたことは大きな成果であったが、日英両国の研究者を中心とする本補助金による調査研究活動では、本年度は初年度として主に日本側が英国に出かけ、調査・研究を行うことを主眼とした。第二年度(1999年度)は、英国側から日本に来てもらい、計画にもとづく研究をさらに発展させる予定である。
|