研究課題/領域番号 |
10044037
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
音無 通宏 中央大学, 経済学部, 教授 (20041105)
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研究分担者 |
永井 義雄 関東学院大学, 経済学部, 教授 (40019815)
樫 則章 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40194766)
有江 大介 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40175980)
深貝 保則 東京都立大学, 経済学部, 教授 (00165242)
土方 直史 中央大学, 経済学部, 教授 (30055123)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 功利主義 / 社会正義 / 自由 / 平等 / 生命倫理 / 環境 / 功利主義経済思想 / 法と経済学 |
研究概要 |
1.本研究の目的は、歴史的ならびに現代的視点の双方から、社会正義を中心とした功利主義思想の発展とその実践可能性をさぐることにある。本研究は国際共同研究としての性格を持ち、私たちは本科研費が与えられた3年間にわたり毎年、ロンドンと東京ないしその周辺で2日間の研究集会を開催し、積極的に研究活動を展開した。そして、その成果を2001年3月24-26日アメリカ合衆国ノース・カロライナ州Wake Forest大学で開催された第6回国際功利主義学会大会で発表した。 2.本研究活動の大きな特徴は、(1)アジアを視野に入れた国際共同研究であったこと、(2)現代倫理学や法哲学を含む広範な分野の研究者が参加し、広い視野から功利主義の現代的可能性が検討され、これらを通じてわが国において初めて専門分野を越える功利主義の共同研究組織が形成されたこと、(3)本研究組織のほとんどすべてのメンバーが国際学会ないし研究集会での報告・討論に参加し、社会科学・倫理学等の分野で日本人研究者が国際学会レヴェルで研究活動を展開する道を開いたことである。この間、日本功利主義学会を発足させえたことも大きな成果であった。 3.本科研費による研究活動を通じて、私たちは、第1に功利主義と生命・環境倫理等、今日私たちが直面している課題と功利主義との関係を積極的に議論し、両者の深い関係を解明しえた。第2に社会正義、自由等の近代の基本概念の構築にとって功利主義が大きな役割をを果してきたこと、そして今後も果たすことを明らかにすることができた。第3に、功利主義における法ないし政治と経済との関連、とりわけベンサム功利主義における経済学および経済政策との関連の解明の必要性を確認することができた。私たちは、功利主義の今日的意義が一層増大さえしていることを確認すると共に、従来の功利主義解釈を大きく是正する道を切り開くことができた。
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