研究概要 |
本調査研究では、グローバル化時代における製造業の健全な発展の必要性に鑑み、交付申請書に記載の目的、実施計画に従って、わが国を含む先進各国製造業の現状と戦略的方向づけ、及びそれを実現するためのアクションプログラムについて定量的調査を実施し、当該産業の抱えている構造的問題点とそれに対する処方箋について検討した。特に、EU,NAFTA,オセアニアにわたる代表的製造先進国及び発展途上国の研究者との共同調査研究と結果の相互比較を通して、わが国製造業の国際的視野からの戦略論的位置付けを可能ならしめた。 研究の方法に関しては、平成10年度において、1)製造企業行動モデルのフレームワーク設定、2)製造業行動モデルに準拠した設問項目の検討、3)予備調査の実施とフィージビリティスタディ、4)調査票の設計と調査実施標準手順の設定(全体会議の招集)、5)本調査の実施(アンケート配布及びインタビューによる)、6)調査票の回収及びインタビューの結果整理、7)回収データのコンピュータ入力とデータベースの構築、を精力的に行い、平成11年度においては、さらに8)分析の視点及びストーリーの確定(全体会議の招集)、9)各種統計解析処理、10)製造業行動モデルに基づく行動因果連鎖構造の分析、11)分析結果の国際比較と考察(国際シンポジウムの開催)、12)報告書の作成及び協力企業等への送付、13)個別サブテーマの検討と関連国際会議での成果発表(セッションを形成する)を行った。 得られた成果は、研究期間(平成10年度-11年度)における1編の編著書、13編の論文及び2件の学会での口頭発表、3件の研究レポート・記事、4件の関連講演、1件の受賞、ならびに研究期間外(平成12年度)における1編の編著書、4編の論文、1件の研究レポート・記事、2件の関連講演、1件の受賞、計33件の成果に具現化された。これらがグローバル化時代の厳しい経営環境において、わが国製造業の生産戦略策定の一助になれば幸いである。
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