研究課題/領域番号 |
10044042
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 統計研究会 |
研究代表者 |
篠原 三代平 財団法人 統計研究会, 会長 (70054236)
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研究分担者 |
丸山 伸郎 愛知大学, 現在中国学部, 教授 (00013277)
碓井 彊 高崎商科短期大学, 教授 (90223536)
小浜 裕久 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (40201488)
田村 紀之 東京都立大学, 経済学部, 教授 (10086978)
下村 恭民 政策研究大学院大学, 教授 (60241923)
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キーワード | FDI主導型成長 / 東アジアの通過・金融危機 / ヘッジファンド / IMFのコンディショナリティ / マネー資本主義 / 国内経済の構造調整 / 中国の国有企業改革 / 人民元の切下げ不安 |
研究概要 |
東アジア経済のめざましい成長がいつまで続くか、その持続性をテーマとした本研究であるが、97年7月2日タイで発生した通貨危機とそれに伴う成長失速を予想していたわけではない。98年7月2日、研究分担者スヴィナイ(タイ)を招いて研究集会を開催、危機に直面している各国の経済動向を分析し、問題点を明らかにした。 その後、各分担者はそれぞれの研究計画にもとづき各国に出張調査し報告をまとめた。研究代表篠原は、今回の通貨危機発生の先行条件を分析し、「通貨調整」「投資後退」「バブル崩壊」の三側面から解明を試みた。篠原はまた研究協力者西ヶ谷を指導し、「東アジアの全要素生産性」の計測を試み、クルーグマンとは異なる帰結を得た。 Mohamed Ariff(マレーシア)は今回の金融危機に対して異なる政策対応を示したマレーシアとタイとの比較論をまとめている。その他各分担者により「韓国の財閥改革」「中国をめぐる人民元の動向や地域格差の拡大」「インドネシアの構造改革や政治不安」などの諸問題に焦点をおいた分析が進められた。研究協力者石川は各国の国際資金フローを明らかにした。 これらの調査研究を通じて、今回の通貨・金融危機がヘッジファンドなどの国際的短期資金の急な流動によって触発され、そこでもたらされたIMFの金融支援プログラムがまた経済不安を増幅したという各国に共通する面がクローズアップされ、そこからの教訓が導かれた。研究分担者小浜は、今回の危機における日本の金融支援について述べ、今後の役割について触れている。 次年度には、経済危機を克服して、東アジアは再び成長軌道に復帰しうるかどうか、その場合の制約条件は何か、また、日本は如何なる役割を果たすべきか、などに焦点をおいた調査研究を進める予定である。
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