研究課題/領域番号 |
10044045
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 義男 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70000809)
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研究分担者 |
田村 剛三郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (30155262)
河村 純一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50142683)
伊丹 俊夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40113518)
乾 雅祝 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40213136)
加美山 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50233961)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 超臨界流体 / 流体セレン / 半導体-金属転移 / 放射光 / 電解質溶液 / ガラス |
研究概要 |
本国際共同研究の実績の概要は、研究の対象とした系別に以下の3項目にまとめられる。 1)代表的な液体金属である水銀は、超臨界領域で金属-非金属転移を起こす。また、代表的な液体半導体であるセレンは、半導体から金属さらには絶縁体へと転移する。このような物性変化が、原子配列、密度のゆらぎ、クラスター形成とどのような関連性をもつかを調べることは極めて重要である。本研究では、我々が独自に開発してきた実験技術をもとにし、強力X線源としてグルノーブルの大型放射光施設ESRFおよび西播磨のSPring-8を利用することにより、水銀やセレン等の超臨界金属流体の短・中・長距離構造について調べ、重要な知見を得ることができた。 2)高イオン伝導性ガラスでは、大きなイオン導電率にマスクされて、ガラス転移に特有な誘電緩和は測定できない。しかし、高周波域ではイオン伝導の寄与は相対的に小さくなり、この緩和が観測される可能性がある。本年度は、AgI-Ag_3O-B_2O_3系、およびAgI-AgPO_3系について、ガラス転移点付近までの誘電緩和測定(周波数範囲1MHzから1GHz)をBourgogne大学で行なった。得られた結果について、ガラス中の酸化物とハロゲン化物の濃度揺らぎに関連させてた、定量的な検討を行なっている。今年度はさらにまた超臨界溶液系の研究の一貫として、臭化亜鉛水溶液中のBr^-の予備的なNMR測定を室温から140℃付近までで行った。 3)アルカリ金属-水銀系は、熱電能の極小現象はじめ興味ある電子物性を示すことが知られている。このような物性には、成分金属間の電荷移動による中距離の化学構造の出現がかかわっていることが示唆されている。今年度はグルノーブルのESRFを利用して、液体Rb-Hg系のX線吸収(EXAFSとXANES)の測定を行った。HgについてはL端、RbについてはK端の吸収を合金の組成の関数として測定した。その結果から、RbおよびHgの周りの溶液構造の変化と電子物性が強く関係していることが示唆された。
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