研究課題
国際学術研究
本研究の目的は、粘土鉱物などの無機層状化合物を用いた非線形光学素子材料を開発である。このために、北大のグループでは(1)粘土単分子膜の製作、(2)金属錯体の合成を行って来た。ベルギー側では、コロイド状に分散した粘土系におけるSHG測定を行って来た。北大グループは、Langmuir-Blodgett法によって、粘土単子層からなる超薄膜を製作した。X線解析等によって、この薄膜は、ナノスケールで厚さと配向を制御した粘土粒子からなる薄膜であることが明らかにされた(山岸、谷口、高橋)。この結果をルーベンを訪れて報告してた(山岸、谷口)。次に、この薄膜中に第二次高調波発生(SHG)能力のある金属錯体分子をインターカレートさせてSHG効率を測定した(シューンハイツ、ベクハイゼン)。実際に測定してみると、用いた粘土鉱物の種類、金属錯体、あるいはインターカレート構造を最適化することによってSHG活性が大きく変わることがわかった。ベルギーからベクハイゼンが北大に来て、得られた結果について報告した。検討の結果、一定したSHG活性を得るためには薄膜中の金属錯体の吸着状態を厳密に評価することが不可欠となった。そのためにフランス・オルセーにソール光による表面赤外測定をおこなった(山岸、荒又)。今後この結果を詳しく解析して、大きなSHG活性を示すような金属錯体を設計、合成していくことを目指している。今回の共同研究の総括をルーベンで行った(山岸)。
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