研究課題
国際学術研究
膜Na/K-ATPaseの機能的単位が__-protomer、di-protomerさらに高度のprotomerからなるのかに関してのさかんに議論が行われている。我々は豚又は犬腎Na/K-ATPaseのATP又はAcetyl phosphate(AcP)からのsteady stateにおける最大リン酸化酵素(EP)量が、0.5mol/_-鎖である事を発見した。Ouabain結合量/EP量の値はすでに報告したように約2である。豚Na/K-ATPaseを種々の濃度のAP_2PLで処理すると触媒鎖のLys-480の約50%にAP_2PL-probeが結合し、Na/K-ATPase活性を約50%に低下したがそれ以上の結合も顕著な活性の低下も観察されなかった。得られたAP_2PL-enzymeのATPとAcPからのEP量は、それぞれ、約0.25と0.5mol/_-鎖であった。AP_2PL-enzymeをさらにFluorescein5'-isothiocyanate(FITC)で処理すると、約0.9molのFITC-probeがLys-501に結合し、Na/K-ATPaseとATP依存のEP形成能はほとんど消失した。しかしAcPからのEP形成能はほとんど影響をうけなかった。ATPのAP_2PL-FITC-enzymeへの結合量を遠心法で求めた結果は、ATPに対する親和性がほぼ二桁減少したがATP結合能は少なくとも未処理標品の50%以上残存することが示された。Na結合酵素と、K結合酵素にそれぞれATPを添加したさいのAP_2PLとFITC蛍光変化から同一濃度のATPが4種類の構造変化を引き起こすことが明白となった。以上から膜Na/K-ATPaseの機能単位はTetra-protomerであると結論した。
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