研究課題/領域番号 |
10044051
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下村 政嗣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10136525)
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研究分担者 |
西川 雄大 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (40281836)
KARTHAUS Olaf 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80261353)
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (90221762)
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キーワード | 散逸構造 / 表面プラズモン共鳴 / ハニカム構造 / ミクロパターン / キャストフィルム / 細胞培養 / 階層構造 / 糖鎖高分子 |
研究概要 |
多くの生物機能は、生体膜を舞台として、蛋白質や核酸などの様々な生体高分子が有機的に連携することで発現されている。さらに生物は、ナノメーターサイズからメゾスコピック領域にいたる階層的な構造化によって特異な形態を形成し生物としての機能を発現している。 本研究は、表面プラズモン顕微鏡や走査プローブ顕微鏡を用いた高分子コンプレックスの構造評価に精通した物理学者と、有機合成ならびに分子薄膜の作製を行っている高分子化学者が有機的な連携をとりながら、二分子膜や単分子膜、LB膜のような二次元秩序を有する分子薄膜をマトリックスとして、合成ならびに生体高分子を複合化したナノメーターサイズの高分子コンプレックスを作製し、マイクロメータレベルにいたる幅広い階層にまたがる階層的な構造化を計り、生体組織を模倣した新たな機能材料の設計・開発を行う。生物に匹敵するような新たな機能性を有する高分子材料が可能となる。 日本側申請者は、最近、非常に希薄な溶液からフィルムを作製すると、サブミクロンからミクロン領域の大きさを持つ二次元のハニカム構造が形成されることを見いだし、このようなメゾスコピック領域での構造形成が、キャスト過程で起こる非平衡の熱力学的プロセスに支配されていることを明らかにした。一方、ドイツ側研究グループは、パターン化された基板上での細胞培養の技術と、表面プラズモン法による基板表面解析の優れた技術を開発した。そこで、日本側研究者は、糖鎖を持つ両親媒性ポリマーが単分子膜を形成するとともに気液界面において細胞認識性蛋白質と特異的に相互作用することを見いだし、糖鎖高分子が細胞培養の培地として優れていることを実証するために、糖鎖高分子をメゾスコピック領域で構造化し細胞のパターンニングの可能性を探った。さらに、表面プラズモン共鳴装置によってパターン化フィルムの構造を明らかに出来た。
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