研究課題/領域番号 |
10044057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10127152)
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研究分担者 |
海野 雅司 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50255428)
大庭 裕範 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10176985)
大庭 裕範 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10176985)
海野 雅司 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50255428)
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キーワード | 高周波ESR / 時間分解ESR / 二次元ESR / 励起多重項 / 溶液中の三重項 / 電子スピン分極 / 分子ダイナミクス / イエロータンパク |
研究概要 |
本年度の国際共同研究により次のような成果が得られた。 1.高周波SR法により励起二重項状態が初めて観測され、分離・同定された。さらに信号の線幅と時間変化から、同時に観測された励起四重項、基底二重項も含めたダイナミクスが解析された。 2.二次パルスESR法を開発し、これらを三重項-ラジカル系に応用して、多重項のスピン多重度とスピン遷移の同定を行った。その結果、励起五重項状態の観測に初めて成功した。また、溶液中のスピン状態の同定に使える新たな二次元ESR法を開発した。 3.昨年初めてその存在を証明した、励起三重項からラジカルへの電子スピン分極移動の第二番目の例を見い出し、これが一般的な現象であることを確認した。 4.溶液中の励起三重項ESRスペクトルの予備的なシミュレーションを行ない、これらの解析が励起分子の溶液中の電子構造と分子運動の解明に極めて有効であることがわかった。また、これを光反応に適用して、反応機構の解析を行った。 5.レチナールに類以した光感応生体分子であるイエロープロテインの反応中間体の共鳴ラマンスペクトルを初めて観測した。さらに、Ab initio計算により振動解析を行ない、中間体がシス型のプロトン付加体であることを解明した。
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