研究分担者 |
M.B.GREENFIE 国際キリスト教大学, 自然科学部, 教授
岡村 弘之 埼玉大学, 理学部, 助教授 (10221144)
M.N Harakeh グローニンゲン大学, KVI研究所, 教授
民井 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20302804)
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研究概要 |
本研究の目的は、ボーアの定理を利用し,1)(d,d′γ)反応のスピン反転確率測定から荷電スカラースピン巨大共鳴の探索、2)(^3He,tγ)反応測定では,ガモフテラー遷移を調へ,強度損失(クエンチング)現象や有効相互作用についての知見を得ることである。 研究課題の申請は3年計画であったが、2年計画にそして予算も約半分近くに減らされて認められた。そこで、計画を見直し、2)の課題を中心に据えて今年度の研究を実施することにした。 以下の様な経過で、オランダ国グローニンゲン大学KVI研究所の超電導サイクロトロンからの^3Heビームを使い実験を実施した。 1. BBSスペクトロメータの焦点面検出器として、フランスオルセー研究所製のものが使えるかを検討をするために、酒井、民井がフランスのオルセー研究所を訪問した。詳細な検討の結果、その当時は建設途中ではあるが、焦点面偏極度計として準備されていた、ドイツミュンスター大のEuroSuperNova検出器を使うことに決めた。続いて、KVI研究所を訪問し、散乱平面に垂直方向に於いてγ線が測定できるように設計した特殊標的散乱槽がBBSにハード的に取り付くかをなどを確かめ実験の準備を行った(8月)。 2. Harakeh教授を日本に招聘し、実験計画をより詳細に詰めた(11月)。 3. ^<26>Mg(^3He,tγ)^<26>Al反応測定を177MeVで行い成功した。γ線は、GSOならびに4台のBaF検出器で測定した。tは散乱角度0°を含み5°まで測定できた。BBSとγ線の同時計数測定は、同施設では今回が最初の試みであり、ソフトならびにハード(エレクトロニクス)で様々な困難があったが、KVI側の協力で切り抜けることができた(12月)。 以上の様に、本年度の研究計画は非常に順調に進んだ。実験結果は現在解析中であるが、(^3He,tγ)反応測定からスピン反転確率を求める、実験手法を確立することができた。
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