研究課題/領域番号 |
10044065
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 公俊 東京大学, 物性研究所, 助教授 (30153480)
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研究分担者 |
WILLIAMS F.I サクレー凝縮系物理学研究所(フランス), 教授
LEIDERE Paul コンスタンツ大学(ドイツ), 教授
斎藤 基彦 大阪大学, 理学部, 教授
矢山 英樹 九州大学, 理学部, 助教授 (60166840)
白濱 圭也 東京大学, 物性研究所, 助手 (70251486)
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キーワード | ヘリウム3 / 超流動 / 薄膜 / 2次元系 / 第3音波 / 2次元電子 / 量子液体 |
研究概要 |
本年度は.以下の事項について研究を行った. 1. 超流動ヘリウム3薄膜の作成と第3音波探索 インターディジタル(櫛型)電極を用いた第3音波検出器を作成し、超流動ヘリウム3薄膜上での第3音波の検出の実験を行った。今年度4月〜5月にかけてのWilliams教授の来日によって、ヘリウム4を用いた予備的な実験に飛躍的な進展があった。その成果を踏まえ、秋頃から超低温における本格的な実験を開始した. 10kHz程度の周波数領域で、〜10μm波長の第3音波を探索したが、検出には至らなかった.ただし、超流動転移と思われる、流動性の急激な回復を見出し、フィルムフローがおきていることを明らかにした。今後、櫛型電極の形状を改良し、超流動ヘリウム3薄膜の超流動特性を明らかにして行く予定である。 2. ヘリウム膜上2次元電子系 コンスタンツ大学のグループは、ヘリウム4膜上2次元電子の直流伝導特性の測定をおこない、予備的な結果をえた。ヘリウム3膜上で同様な実験を行うべく、九州大学のグループが実験装置を開発中である。2次元電子系の実験計画の立案に最して、バーミンガム大学のVinen教授との討論が有益であった。 3. 理論的研究と今後の課題 大阪大学のグループで、量子液体の表面と2次元電子の散乱メカニズムの理論的考察が行われ、今後実験との比較を行う予定である.また、超流動ヘリウム3膜の理論的研究との連携が必要であることが痛感された.
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