研究課題/領域番号 |
10044070
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
有坂 文雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (80133768)
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研究分担者 |
ROSSMANN Mic Dept. of Biological Sciences, Purdue大学, 教授
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キーワード | バクテリオファージ / 尾部基盤 / 分子集合 / 分子認識 / 感染初期過程 / 構造変化 / リゾチーム / テイルリゾチーム |
研究概要 |
本年度は2回にわたって研究代表者の有坂が研究分担者のMichael G.Rossmann教授の研究室を訪れ、T4ファージ基盤の前駆構造体であるgp10-gp11複合体を持参した。(1回目の訪問では大学院生の斉藤康雄を同伴した。)gp10-gp11複合体は遺伝子9から11までを含むT4ファージゲノム遺伝子をT7プロモーターを持つ発現ベクター(pET7-5)に組み込んだもので、gp9およびgp10-gp11複合体が可溶性タンパク質として発現される。精製した同複合体はRossmann教授の研究室の大学院生Petr Lehman君と共同して結晶化を行った。結晶化の条件をハンギングドロップ法によりCrystalScreenIおよびIIを用いて検索したが、まだ回折実験に耐える結晶は得られていない。この間、gp10-gp11複合体の超遠心分析により、gp10-gp11複合体はgp10.gp11それぞれ2分子からなる複合体であり、2分子のgp10はジスルフィド結合で結合していることが明らかになった。また、同複合体は通常の条件下で長期間保存ずると複合体同士がジスルフィド結合で結合し、さらに大きな複合体を生じ、結晶化に不都合であることが分かったため、結晶化の条件では溶液に10mMのDTTを添加することにした。他方、テイルリゾチームgp5の結晶化は順調に進み、現在3.5A分解能の回折点を見いだすに至っている。このgp5と基盤蛋白質のもう一つの構成成分であるgp27が複合体を形成することが分かり、現在この複合体の大量調製を進めている。
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