研究課題
国際学術研究
水のダイナミックスの様相を理論、実験の両面から解析を行った。(1) 水のミクロレベルの揺らぎ、集団運動の様相を調べるための高次(3次、5次)非線形分光スペクトルに関する理論を作り実験との比較を行っている。即ち、水の中の水素結合構造の変化に伴う集団運動や揺らぎがかの直接観測を非線形フェムト秒分光を用いて実験的に検証し、特にスペクトル線の均一的拡がりと不均一的拡がりとの関係の解析を進めている。(2) 水液体及びクラスターのダイナミックス及び水の氷化過程を明かにするために、系の大域的ポテンシャル・エネルギー面の構造を解析できる方法論を開発した。其れを用いて小さな水分子クラスターの氷化、融解、それにともなう揺らぎを調べた。(1)に関しては、大峰と斎藤が平成10年度夏にカルフォルニア大学バークレー校に滞在しFleming教授と研究打合せを行い、その理論及び計算プログラムを完成させた。平成11年3月に斎藤が3週間バークレーに滞在し計算を進め、先方との実験との比較を行っている。(2)松本正和が平成10年度夏に米国に滞在し研究を進めた。またシカゴ大学のBerry教授が12月に来日し、内容の詳細な検討を行なった。大域的ポテンシャルエネルギー面また長時間域ダイナミックスの特徴を抽出する理論的方法の開発を進めている。さらに水の氷化に関する共同研究もすめている。また平成10年度夏に大峰、斎藤、松本がボストン大学でStanley教授と水のポテンシャルエネルギー面の大域的性質と水のアモルファス化と氷化のダイナミックスの関係について解析を行った。さらに平成11年3月小林、林がカルフォルニア大学とシカゴ大学に行き水分子のプロトン付着やプロトン移動ダイナミックスの研究の打合せを行っている。特に、水のダイナミックスの特性が溶媒として化学反応系のダイナミックスに如何なる影響を及ぼすがについて溶液内のプロトン移動及び電子移動を調べた。
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