研究課題/領域番号 |
10044074
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大峰 巌 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60146719)
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研究分担者 |
松本 正和 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (10283459)
斉藤 真司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70262847)
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キーワード | 水のダイナミックス / クラスター / 5次非線形分光スペクトル / 大域的ポテンシャル・エネルギー面 / 氷化 / シミュレーション / プロトン移動 / 生体高分子 |
研究概要 |
昨年につづき水のダイナミックスの様相を理論、実験の両面から解析を行った。 (1)溶液、特にミクロレベルの揺らぎ、集団運動の様相を調べるための高次5次非線形分光スペクトルに関する理論を完成させ、さらにシミュレーションを行い、カルフォルニア大学バークレー校Flemingグループと協力して実験の解析を進めている。 (2)水溶体及びクラスターの氷化過程を解析するために、系の大域的ポテンシャル・エネルギー面の構造を解析さらに、シミュレーションを用いた水の氷化に初めて成功した。さらにそれを大きな系で調べており、氷化の分子機構が明らかになると期待できる段階まできた。 (3)生体高分子に於ける水の役割とプロトン移動の機構について解析した。特にバクテリオロドプシンに於けるプロトンポンプ機構の初期段階を明らかにした。 (1)に関しては、Fleming教授と電子メールまた奈良で研究打合せを行い、その理論計算を完成させ、現在Flemingグループの実験の解析を進めている。(2)大峰が平成11年度夏にボストン大学のスタンレー教授の基に滞在し研究を進めた。またシカゴ大学のBerry教授が平成12年1月に来日し、内容の詳細な検討を行った。また平静11年度夏に大峰、斎藤、松本がBerry教授が主催するコロラド州テルライドに於けるワークショップに参加し1〜2週間集中的に水のポテンシャルエネルギー面の大域的性質とダイナミックスの関係について解析を集中的に行った。(3)さらに平成12年2月大峰がカルフォルニア大学サンヂエゴ校に行きOnuchic教授のグループと生体高分子内のプロトン移動ダイナミックスの研究の打合せを行い、光合成中心に於けるプロトン移動及び電子移動の関係についても検討した。
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