研究課題/領域番号 |
10044080
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川瀬 洋一 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60027448)
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研究分担者 |
大矢 進 新潟大学, 理学部, 教授 (90092676)
大久保 嘉高 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70201374)
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キーワード | 中性子過剰核 / 原子核分裂 / 変形核 / 二重閉殻核 / オンライン同位体分離装置 / 極低温核整列装置 / 核磁気共鳴法 / 磁気モーメント |
研究概要 |
原子核構造の実験的研究において原子炉や加速器を用いて生成されるエキゾチックな不安定核についての核分光法による研究は、提唱されている原子核模型の有効性を検証する上で重要である。今回のプロジェクトでは、原子核分裂で生成される短寿命の中性子過剰核をオンライン同位体分離装置(ISOL)で質量分離を行い、β崩壊に伴うガンマ線の精密測定により、多くの不安定核種について、崩壊図式の確立、励起準位のスピン、磁気モーメントなどを測定し、中重核の理解を深めるために重要な情報を得た。特に、スウェーデンのStudsvikにあるウプサラ大学中性子研究施設において、二重閉殻核領域の原子核構造の系統的研究を行うため、オンライン同位体分離装置に結合した極低温核整列装置を用いて、核磁気共鳴法による磁気モーメントの精密測定に重点を置き、系統的に測定を行った。また、原子炉実験においては、変形領域核について同様の実験を行い、全体として原子核構造の総合的な理解を深めた。 まず、平成11年6月にスウェーデンのOSIRISで進行中のSn、Sb、Teなどの同位体を線源とした極低温核整列装置による核磁気共鳴実験を共同で行い、磁気モーメントや緩和時間の測定などにより、球形核の原子核構造に関して新しい知見を得た。 また、平成11年9月には、京都大学原子炉実験所のKUR-ISOLを用いて^<147>Ndの線源を製作し、新潟大学理学部でNMR/ONの実験を共同で行い、Nd核偏極の温度依存性を測定した。 さらに、平成11年11月以降は摂動角相関法(PAC)による磁気モーメントのオンライン測定を行うためのビームラインを整備し、^<91>Rbの崩壊による^<91>Srの第一励起準位の磁気モーメント測定を行い、予備的な結果を得て、今後の展開に有益な情報を得た。
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