研究課題/領域番号 |
10044083
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70110707)
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研究分担者 |
鄭 国慶 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (50231444)
三宅 和正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90109265)
天谷 喜一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80029503)
石田 憲二 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90243196)
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キーワード | 重い電子系 / 高温超伝導 / 量子臨界点 / 反強磁性・異邦的超伝導転移 / 新超伝導発現機構 / 超高圧誘起超伝導 / d波磁束 / スピンギャップ |
研究概要 |
「高庄・極低温・高圧下での重い電子系物質の研究」 石田はCe_xCu_2Si_2系ではxの変化によって異方的超伝導-反強磁性転移が常圧で起こることを示した。さらに加圧下の研究によってx=0.99で観測された異常磁性が抑制され、x=1と同様の異方的超伝導特性を示すことを明らかにした。ドイツ側からGeibelを招へいし、NMRの研究結果とドイツ側の研究成果の情報交換、研究成果の討論を行った結果、均一なCeCu_2Si_2は量子臨界領域にあることを結論できた。さらにSiをGeで置換した系に関する共同研究によって、超伝導と反強磁性がミクロに共存していることを明らかにした。 CeIn_3の高圧下による研究によって超伝導が発現する圧力(P=2.4 Gpa)でも反強磁性状態にあることを明らかにした。 「強磁場下の高温超伝導物質の研究」 鄭は僅かに過剰ドープ領域にある高温超伝導物質について強磁場下での磁束の性質および擬ギャップ相の磁場変化の研究をG.Clark(アメリカ)と共同で行った。フロリダ大学強磁場実検施投の世界最強定常磁場(28テスラ)を利用した研究と詳細な磁場変化によるNMR研究からスケーリング則を見い出し、過剰ドープでの擬ギャップは超伝導ゆらぎによるものであることを確定させた。 平成10年度に明らかにした軽ドープでの結果と合わせて、高温超伝導体で問題となっている擬ギャップの機構を理解する上で重要な実験結果を提示できた。 平成11年度は以上の研究により「多重極限環境下の強相関電子物構性」に関する研究で重い電子系と高温超伝導体の超伝導現象を解明する糸口となる多くの成果をあげることができた。
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